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嘉義(現在の気象状況) |
☆2009年6月16日をもって引退。 1978年(昭和53年)7月1日、縦貫線台北〜高雄間の全線電化が完成。 そのとき最優等列車の自強号としてデビューしたのがEMU100型電車だ。 記念すべき台湾初の電車型車両であった。 イギリス製の古い電車ということから、台湾では「英国婆」と呼ばれている。 しかし近年は故障が頻発し、電気機関車に牽引されて運転することも。 古い車両だから一般の乗客からも嫌われ、ついに引退することになってしまった。 乗車できなくなってしまう前に、最後の乗車をしよう。 早朝の嘉義駅へやってきた。 EMU100型電車が定期運用されているのは1日1往復のみ。 嘉義6:00発の七緒行き自強号と、七緒19:02発の嘉義行き自強号だけ。 明るい時間に運転されるのは嘉義6:00発の列車だけになる。 それで眠い目をこすり、早朝に嘉義駅へきたのだ。 嘉義駅に入線しようとする第1002次自強号。 使用車両は予定通りEMU100型だ。 故障で車両が変わっていなくてよかった。 なんかこう、間が抜けたと言うか、ぬぼ〜っとしたと言うか。 こんなお顔でも台湾鉄路では最優等列車。 西部幹線を120km/h以上のスピードでぶっ飛ばす。 窓の下にある行先と列車種別の表示もレトロ調。 横書きだけど、昔の日本のように右から左へと読みます。 EMU100型の車体の裾は丸まっているのが特徴。 だけどドアだけはまっすぐ。 ステップの部分だけ出っ張った形で不恰好。 そんなドアは手動の折り戸。 なぜかホームの反対側も開いてます。 ついでなんで、ドアを閉めて中から1枚。 車内にはリクライニングシートが並ぶ。 通路はカーペット敷き。 新しいタイプの自強号にはカーペットは敷かれていない。 この点だけは自強号の中で一番豪華。 6:00、嘉義駅を定刻に発車。 順調にスピードを上げ、台湾を北上していく。 だけど車内見学は終わっていないので、このまま続きを。 EMU100型の乗降扉は片側1箇所。 その他に非常口も付いている。 元々この場所にも座席があったけど、数年前にはずされてしまった。 今は混雑時の立席スペース。 それと車内には非常時に窓を割って脱出するためのハンマーが備わる。 カーテンレールのカバーには座席番号。 「15・13」と、続き番号になっていないけど、番号の付け方が特殊。 1が窓側、2は反対側の窓側、3は1の隣の通路側、4は2の隣。 次は5と6が窓側で、7と8が通路側。 このパターンで座席番号が付けられていく。 (日本では近鉄特急がこの方式) トイレもどうぞ。 便座はバネの力で常時跳ね上がったまま。 朝の西部幹線を北上していく。 嘉義駅ではガラガラだったけど、徐々に乗客が増え満席に。 そして困ったことが。 みんな日差しを嫌い、カーテンを閉めてしまうのである。 外の景色が見えないじゃないか。 おかげでこのあと爆睡・・・。 目が覚めたのは桃園駅。 台北まであと30分の駅だ。 チラッと外を見たら曇っていた。 これならカーテンを開けても大丈夫だろう。 樹林駅を過ぎ、台湾新幹線の線路と併走。 板橋駅の手前から線路は地下に入る。 短距離利用の乗客が増えてきた。 台北駅はもうすぐだ。 嘉義駅から4時間5分。 定刻で台北駅に到着。 台北駅では5分停車する。 この時間にお顔の写真を。 台北駅でほとんどの乗客が下車した。 ガラガラの状態で七緒駅へ向かう。 南港駅を過ぎると地下から高架線へ。 ここは最近高架化された区間だ。 台北郊外の景色を見ながら進む。 台北駅からはスピードも上がらず、軽く流した感じで七緒駅に到着。 車庫が隣接する、広い構内を持った駅だ。 新幹線が開通する以前は台北駅の次の松山駅近くに車庫があった。 それが新幹線建設と地下化工事のためここに移転。 そのため最近、七緒駅が西部幹線の列車の終着駅に。 ホームもまだ新しい。 古参電車にはちょっと似合わない駅かも。 EMU100型電車の旅もこれで終わり。 今後は一部が苗栗駅近くにある鉄道博物館で保存されるらしい。 もしかしたら、SLのように特別運転される機会があるかも。 充実した余生を送れることを祈っています。 お疲れ様でした、英国婆! HOME 阿里山の檜木列車に戻る 海外の鉄道 台湾 |
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