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嘉義(現在の気象状況) |
☆一番長い距離を走る新営の五分車。 台湾では最大級の製糖工場だった新営糖廠。 また近くには副産品加工工場があり、多くの列車が運転されていた。 それが1990年代終わり頃に工場が閉鎖。 各地から運転されていた貨物列車も廃止されてしまった。 その後、観光鉄道としてトロッコ列車の運転を開始。 新営駅近くの中興駅から八老爺駅まで、4.6kmを往復している。 この距離は復活した観光鉄道の中でも最長距離。 片道の所要時間は約30分。 ここでは当時の台湾糖業鉄道の旅を満喫できる。 渓湖のSL列車を下車したら、急いでバスに乗車。 そして員林で台鉄の自強号に乗換え。 員林駅からは約1時間で新営駅に到着した。 新營車站の駅舎。 新営駅の駅前から南へと歩いていく。 五分車の中興駅までは約1km。 途中で使われなくなった踏切にぶつかる。 この線路は廃止になった台湾糖業鉄道長短樹線だ。 長短樹線には併用軌道もあったそうだ。 そして踏切の奥を見ると、小さな白い駅舎が目に入った。 ここが旅客営業を行っていた当時の糖鉄新営駅。 使われなくなったホームから台鉄西部幹線の電車を見る。 かつてはこの草むらの所にレールがたくさん敷かれていたのだろう。 ちなみに旅客列車が廃止されたのは1979年(昭和54年)。 その後も貨物列車は走っていたが、いつの間にか廃止されていた。 さらに南へと歩いていく。 道路がカーブしているその先には、使われなくなった大量の貨車が見える。 そして左側には踏切の標識。 ここもちょっと寄り道してみよう。 踏切跡の前には線路がたくさん残っていた。 手前には複雑な構造をしたポイントも見える。 これは三線軌条の線路。 糖鉄の線路の軌間は762mm、これに台鉄の貨物列車(1067mm)を直通 させるために3本目のレールを敷設したもの。 右側の建物は信号所の跡。 ようやく五分車の中興駅に到着。 大きな踏切があり、歩道橋の向こうが駅舎。 本来なら15分ほどで着くはずなのに、だいぶ時間がかかってしまった。 歩道橋の上から新営駅方向を眺める。 右側の草むらも以前はレールがびっしり敷かれていたはずだ。 奥に見える建物は機関庫。 現役時代は、この後ろに大きな製糖工場があった。 駅前に並べられた保存機関車。 手前は「順風牌」と呼ばれたディーゼル機関車。 その奥にはSLが何台も置かれている。 まずは切符を買わねば。 切符売場はどこだ? 切符を売っているのは駅舎の中にあるお店のレジ。 それではトロッコ列車に乗車! 新営では全てが西ドイツ製ディーゼル機関車の牽引する列車。 これから乗るのは16:00発の最終列車だ。 廠前車站(廠前駅)を通過。 旅客列車があった当時、最初に見た新営駅の次の駅がここだった。 線路を跨ぐ建物は調度中心。 日本だと運転指令所に相当する施設。 複線の線路を持つ布袋線と別れ、単線の学甲線へ。 上り勾配をゆっくり登っていく。 急水渓を渡る。 渓南旗站へと進入。 ここは副産品加工工場へ延びる線路の分岐点。 新営から続いた三線軌条も、ここから加工工場へと入っていく。 線路の真ん中でタブレットと手旗を持った係員さんが待っていた。 まさか、列車交換があるのか? 本当に反対側からトロッコ列車が来た! ここの観光鉄道は本格的だぞ! 途中、こんな大きな踏切も通過。 学甲線からさらに分岐して大内線へ。 さとうきび畑の中を進んでいく。 昔はずっとこんな風景の中を走っていたのだろう。 現実はちょっとだけしかさとうきび畑が残っていない。 まもなく八老爺駅に到着。 八老爺駅に到着後、すぐに機関車は切り離されて入換作業開始。 八老爺駅は本格的な駅舎。 田んぼの真ん中にあった渓湖の濁水信号所とは全然違う。 隣には台鉄で廃車になった客車を利用したレストランがある。 この辺りは営長牧場の敷地。 八老爺駅の隣は観光牧場になっている。 ぽりぽり。 折返し時間は約30分。 そろそろ中興駅に向けて出発! 帰りは一番後ろに乗車。 台湾の田舎の景色をゆっくり眺めよう。 さとうきび畑の間をゴトゴトと。 列車の形にくり貫かれた木の下を通過。 急水渓を渡る。 行きには気付かなかったけど、本格的な橋梁だ。 橋を渡ると右にカーブ。 新営の市街地に入っていく。 ポイントをいくつも渡り、終点の中興駅へ。 ご乗車お疲れ様でした。 中興駅、終点です。 お忘れ物なさいませんように。 これにて本日の営業は終了。 機関庫へと引き上げていく。 今後、新営駅近くまで路線の延長も計画されているそうだ。 その時にはまたぜひ乗りにこよう。 次は台湾の小さな鉄道で一番有名な阿里山森林鐵路に乗車だ。 HOME 渓湖の五分車に戻る 阿里山森林鐵路に乗る 海外の鉄道 台湾 |
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